第3回 Prince編

第3回 グローブライド株式会社 スポーツ営業本部 スポーツ営業部 企画課長 “相馬 安紀” さん
”その違い、体感せよ。” プリンス社が自信をもって進める1本
 テニス業界の常識を突き破り、常に革新的なテクノロジーを世に広めてきた”プリンスラケット” その開発現場の最前線で指揮を執る相馬氏。 業界の中でも顔が広く「プロプレーヤー」「テニス愛好家」「ジュニアプレーヤー」など様々な意見を吸い上げ そこに自らの”こだわり”を加えて名器と呼ばれる1本のラケットを作っていく そんな相馬氏に9月より発売される「ビーストシリーズ」について熱く語ってもらいました。
Q. まず新製品の詳細を伺う前に。 最近ジュニアの大会ではプリンスのラケットを使用しているジュニアが凄く多いと聞きますが。 そのあたりについてお聞かせ下さい。
A. 今回の全国小学生大会で上位入賞している子も使用していますし、ウインブルドンジュニアに出場している日本人選手も プリンスラケットを使用している割合が凄く高いですね。
Q. ジュニア使用率が高まっているのには何か秘密があるのですか。
A. 今のジュニアプレーヤー達のプレースタイルの変化が挙げられます。 ストロークではラケットをフルスイングするテニスコートを立体的に使う為にボールの高さをスピン量でかえたり、テニスコートの角度を広く使ったりスライス、ボレー、ドロップショットなど様々なテクニックを身に着けています。より完成度の高いオールラウンドプレーヤーになっている為、そこにプリンスラケットがマッチしているんでしょうね。

Q. ここからは新作ビーストシリーズのポイントとなるテクノロジーを具体的に教えていただきますが。
A. 前作で好評を頂いた”テキストリームカーボン”をラケットに使用しています。
前作を使用した事の無い方も多いので…まずテキストリームとは「薄くて」「軽くて」「強い」素材です。
薄く広く約2cm帯状に伸ばしたカーボンを編んだ大変薄いカーボン素材
その薄さの秘密は…
一般的に炭素繊維が千~数万本の束になっているカーボン原糸の断面図は丸に近い物。 そのため、カーボン原糸同士を編み込むと丸と丸の間に隙間ができそれが厚みとなり強度も下がることに
テキストリームカーボンは千~数万本の炭素繊維が横に広げられた開織糸を使用。 薄い構造なので出来上がりの織物は薄くまた、表面の凸凹が少ない為組み合わせた時の強度も強くなる
その軽さの秘密は…
炭素繊維と樹脂で構成されているカーボンは炭素繊維の量が同じであれば強度は同じ。平たい開織糸を使うテキストリームカーボンは、丸い原糸を使う従来のカーボンより使用する樹脂が少ないので「同じ強度でも軽い」のが特徴。 重量を同じにすると従来のカーボン繊維に比べ炭素繊維を多く使えるので「同じ重さであれば強度が強い」ラケットがテキストリーム
今現在他社のテニスラケットはパワー重視の偏重があり、シャフト部分をがっちり作り込む事で面安定感が高まりスピードボールが打てる。 プレーヤーはそのテニスラケットに飛ばないストリングセッティングする傾向が強く、実は日本人にはあまり向いていない。 「プリンスラケット」の重要なテクノロジーはテキストリームをシャフト部分に搭載する事でゴールデンスペックの中でもRA値を抑える事ができ、実際今回のビースト100などはRA値は67に設定できてます。 RA値67は一度ボールを食いつかせてフレームが速く戻る事でボールの勢いを出してます。 そして今回新たに加えた「トワロン」がこのフレームの戻しを更に速くしています。

Q. 今回のキーワードになる「トワロン」。これはどんな素材なんですか?
A. トワロンとはアラミド系繊維のひとつ。振動減衰性の高さと類い稀な強度を個性とする素材。
Q. トワロンの素材はどこからみつけてくるんですか?
A.
実は第二世代のテキストリームの素材はすでに世に出ているんだよ。例えば自転車だったり F1では殆どすべてのチームが使っていたり。またアメリカンズCUPに出ているヨット、アイスホッケーのブレードなどにも使われているんだよね。 先ほども話をしたけどテキストリームは薄く広く約2cm帯状に伸ばしたカーボンを編んでいるから接着剤を使わないで シートになっているんだよ。普通のカーボンのシートは繊維を接着剤で並べて固めているから接着材でべたべたなんだけど… 例えばテキストリームカーボンにアルミ糸を入れた作った物や、カーボンを並べた中で一部強いカーボンを組み込んだりした 第二世代のテキストリームを実は使ってラケットのテストを試みたんだけど… RA値を抑え面のねじれを抑える事ができたんだけど…ただ凄く硬くて手には響くしラケットには向かなくて。 それでスウェーデンのオキシンという会社にラケットスポーツに向いた何かいい素材はないかと依頼をしたんだよ。 そこで「トワロン」を見つけ出してテストしてみたら、「テキストリーム」と上手く融合したんだよね。 ラケットフレームを硬くせずに面のねじれを抑え込み、衝撃吸収と振動吸収が高くなったんだよ。
Q. 市場で凄く評価されていたテキストリームシリーズをかえるのには勇気がいりますよね。
A. A:テキストリームシリーズが出て3年経ったでしょ。4年目に突入してテキストリームの効果のスピン性能とスピードを落とさずがベースで 僕らはスピードボールをコントロールするというサブコピーもあるんだけど。 それって凄く素晴らしい事で評価もされててプリンスのラケットが変わった感がでていて更にそれをいい方向に改良したかった… それでよりねじれを少なくしてより食いついてよりパワーが出るようにしたかったんだよね。 「テキストリーム」×「トワロン」が凄くいい方向に結果がでたんだよ。 実は僕も予想してた以上の結果が出て…正直テストするまではわからなくて…うまくはまったなあと。
Q. 「その違い、体感せよ。」のキャッチフレーズで ビースト100を打ってみて体感できましたよ
A. ラケットフレームの戻る速さに連動するボールパワー、ボールパワーを落とさずコントロールできる、衝撃吸収性、振動吸収性、全て高い質で出来上がってます!!

Q. 更に年々、外国のかたよりも日本人の人々のラケットに求めるハードルが高くなってますよね。感覚にも繊細ですし…
A. 凄く高いよ(笑) 大きな声では言えないけどさ…色々なメーカーはまだラケットを硬く作る傾向が強いよね。 更にツアーモデルなどは日本主導で作る事がなかなかできないからさ。 うちはたまたまだけど海外の開発の責任者とエンジニアも…エンジニアが入る前からちょうど俺もラケット企画の担当になって 一緒にやっていて開発の責任者が年下で…こっちにラケット開発に際してどううしようかと問いかけてくれるから 日本の意見も入って開発が進んでいるから。 プリンスのテクノロジーはデカラケから始まってモアシリーズ、オースリー、トリプルスレッドだとかいろんな物をやっていたけど。 開発が若い世代に移った時に僕らが素材も重要じゃないのって言って海外のエンジニアがヨーロッパでテキストリームを見つけてきたんだよ。 全スタッフ共通していいものを作ろうという意識を持っているやっているよ。
Q. テストする時も大事ですね。
A. 俺とかカッキ―(草トーで知る人ぞ知る名プレーヤー)でテストしたり、早稲田大学の選手に試してもらったり、ジュニアのトッププレーヤーや元プレーヤーの30代の人など様々な人にテストをしてもらって情報をフィードバックする形になっているよ。 後はテニスコーチの意見もあって…世界を目指すにはこういうラケットが必要だとか…丸山 薫さんとラケット談義をしたり、それをミックスして1本のラケットに想いをこめてるんだよ。
Q. そんな気持ちを込めて作るラケットだから使用する人が増えているんですね。
A. それもあるかもしれないけど…ここ最近のお客様の思考が変わってきていると感じているよ。 少し良いものを使おうとか良いものを選ぼうとかという傾向になりつつあるのかな。最初は○○が使用しているから使ってみようかなあ…そこからスタートはするんだけど、徐々に自分のプレースタイルに合うラケット選びやコーチもジュニア選手のプレースタイルにはこのラケットが合うのではないかとか…そんな選び方になっているね。 更に俺は「桜田倶楽部」というテニスクラブ出身なんだけど…桜田倶楽部の考えが発想力豊かにしないといけないし自分でなんでも考えてプレーしなくてはいけないんだけど。そこの教えが多彩なショットが使えないと将来的には厳しい…その多彩なショットを可能にするものを作る事も使命と捉えているよ。 だから俺が開発の責任者である以上はこだわりを持ってやっているよ。

Q. 最後に「テキストリームシリーズ セカンドシーズン」発売に向けて皆様に一言お願いします。
A. 今までなしえない普通は相反するもので一回食いつくのに弾くというのを上手い人ほど感じてくれる。 だからスピンもかかって球もいくのがこの素材で表現できているよ。 強くなりたい人は是非この1本を選んで欲しいなと思っている。 更に衝撃吸収性、振動吸収性が凄く高まっているので、そういう悩みを持っている人にも使ってもらいたかな。 本音を言うと…少しだけスペックが甘いかな… ラケット市場で受けられやすいスペックに少しだけ修正したんだよね…性能を落とさずにね!!
prince BEAST
BEAST 100(300g) BEAST 100(280g) BEAST O3 104

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